▼作者
ハスキ様
▼登場人物
・A
・B
▼シナリオスタート
A:あ、ちょっと、いいですか?
B:え? はい、何でしょうか?
A:っ! やっぱり⋯
B:え⋯?
A:遠目だったし、人違いだったらどうしようかと思ってたけど、良かった
B:え、ええと⋯
A:久しぶりだな
B:あ、ああ⋯久しぶり
A:元気だったか?
B:え? ああ、わりと元気だったよ
A:ん? ちょっと見ない間に、雰囲気変わったか?
B:え? ああ、そりゃ、久しぶりなんだし、多少は変わっててもおかしくないよ
A:それもそうか。なんせ、アレ以来だからな
B:う、うん⋯アレ以来だしね
A:でも、あの時はほんと、ありがとな
B:え? あー、うん、大した事じゃないよ
A:何言ってるんだ! アレは大した事だよ!
B:え! そ、そう!?
A:そうだよ、お前が咄嗟にアレしてくれたお陰で⋯俺は死なずに済んだんだ
B:そ、それは確かに⋯大した事だね
A:だから、あれからずっとお前には感謝してるんだ。また次会ったら、絶対お礼しなきゃって
B:え!? いや、そんな大した事⋯いや大した事だったかもしれないけど、お礼とかほんといいから!
A:お前は良い奴だからたぶんそうやって断るだろうとは思ってたけど⋯何にもしないわけには⋯
B:いや、ほんといいからね? その気持ちだけで十分だから
A:このままじゃ俺、一生後悔するかもしれないからさ⋯
B:あ⋯
A:頼む⋯
B:⋯分かったよ
A:ほ、ほんとか!
B:そんな真剣な目で頼まれたら、断るなんて事、僕には出来ないよ
A:ありがとう! それじゃさっそく行こうか!
B:うん⋯分かった。え? 行く⋯?
――間
A:よーし、ポイントに着いたみたいぞ、準備はいいか?
B:ちょちょ、ちょっと!
A:ん、どうしたんだ?
B:いや、ここ、何処なの!?
A:え? 何処って、俺達が好きな、空の上じゃないか
B:いやどういう事!?
A:だって俺たちスカイダイビング仲間だもんな
B:ス、スカイダイビング~~!?
A:いやー、お前があの時、勇敢にも俺に絡まったパラシュートを、飛びながら解いてくれたんだもんな、ほんと感謝してもしきれないな
B:アレって、それの事!?
A:恥ずかしながらあの時俺は気絶してたからよく覚えてないけどな。しかも失禁してたらしい。ハッハッハッ! 笑えるだろ
B:いやいやいや、内容がハード過ぎて全然笑えないよ!
A:でもまた、伝説のスカイダイバーのお前と、こうやって飛べるなんてな⋯
B:ん? ん? な、何その伝説のスカイダイバーって??
A:え? 何って、お前が樹立した、ギネス記録の、三ヶ月毎日連続スカイダイブ伝説だよ。あれは痺れたよ
B:えー! とんでもない記録保持者ー!(と勘違いされてる自分)
A:引退したって聞いた時は寂しかったよ、もうお前の、あの華麗なダイブが見れなくなるなんてよ⋯
B:いや、あの、今更なんだけど、人違い⋯
A:(前のセリフに被せて)いやー! そんな心配は杞憂(きゆう)だったようだ! 何故ならお前はまたここまで、何も言わず来てくれたんだから!
B:いや、人の話聞いてー!?
A:よし、今日は感謝を込めて空で乾杯といこう。ほら、上等な酒も買っといたからさ
B:っ! いや、ちょっと、なんで腕を掴んだの!? 離してくれる!?
A:さあ、俺達の再会に乾杯!
B:ぎゃぁぁぁーーー!!
おわり
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