声劇アプリの運用には最低限どんなコストがかかるのか、ボイストランドの現状の運用費はいくらなのかをまとめました。
概要
声劇アプリの運用に最低限必須なコストとしては、サーバ使用料、音声通話サービス使用料などのインフラ費用がかかります。
この2つについてそれぞれ説明させていただきます。
音声通話サービス使用料とは
音声配信アプリには、遅延の少ない高音質な通話システムの実装が必須となります。
これを自前で構築するのは難易度が高いため、外部の通信業者様の音声通話サービスを契約する必要があります。
ちなみに、オープンソースのソフトウェアを使うことで、自前で通話システムを構築することは可能ですが、高性能なサーバを用意する必要があり、通信料金も膨大になるため費用対効果が良くありません。
そのため、他の有名な音声配信アプリを見ても軒並み外部の通信業者様の音声通話システムを使用されています。
そしてボイストランドはNTT Communications様の音声通話サービス、SkyWayを契約しています。
SkyWayの特徴
ボイストランドがSkyWayを選んだ理由としては以下のとおりです。
・ラグが少ない ・音質が良い ・競合他社サービスと比較して圧倒的に安い ・無料枠が大きい
SkyWayの特徴としては、他社のサービスと比較して圧倒的にコストパフォーマンスが優れています。
例えば、1枠90分の音声配信にかかる利用料を計算した場合、他社と比較してSkyWayでは半分前後になります。
ただし、残念ながら現状のSkyWayでは録音サービスが提供されていませんが、ボイストランドはアーカイブの録音を自前のシステムでやっているためこれをカバーできています。
SkyWay料金プラン
そのSkyWayの料金プランは以下のようになっています。
参考用:SkyWay料金プラン
無料プランでは利用可能な通信量に毎月制限があり、サポートもないため、一定以上のサービスを目指す場合は有料プランの契約が必須となります。
ボイストランドは1月までは無料プランでSkyWayを利用していましたが、2月はテクニカルサポートを受けるために有料プランを契約しています。
そのため、2月は約10万円前後の請求が見込まれます。
3月中旬からは一旦無料プランに戻る予定ですが、利用可能な通信量に上限があるため、登録者数を増やす場合はいずれ有料プランの契約が必要です。
具体的にはアプリの登録者が500人前後に増える頃にこの通信量の上限を超える見込みです。
以降は月11万円の基本料金 + 従量課金の費用がかかってきます。
従量課金の部分は1枠数十円 〜 数百円程度です。こちらは通話参加人数とリスナー人数で変動します。
一例としては通話参加者平均5人、リスナー平均5人の90分枠で50円程度です。
サーバ使用料とは
続けて、サーバ使用料としては、コンテンツ提供用のWebサーバやデータベースサーバ、録音データ保管先のストレージの使用料がかかります。
昨今はAWS(AmazonWebService)、GCP(GoogleCloudPlatform)などのクラウドサービスを使用するのが主流になっています。
ボイストランドも両者を利用しています。
システム構成図
ボイストランド声劇アプリのシステム構成図は以下の通りです。
コストパフォーマンスを最大限重視してシステムを構築しています。
図の上側、左側、右側のサービスはそれぞれ以下の通りです。
・GCP(図の上側): リアルタイム性の高いデータやプッシュ通知で利用。 無料枠が大きく安価なため、サービス初期はほぼ請求が無料となる。 ・AWS(図の左側): データベースやストレージ、ユーザ管理、コンテンツ配信に利用。 幅広いサービスを提供しており、世界で最も採用されているクラウドサービス。 ・SkyWay(図の右側): 音声通話サービス。 前述の通り、ラグや音質面が優秀であり、コストパフォーマンスに非常に優れている。
サーバ使用料を抑える工夫
見づらいですが・・・料金面を軽くまとめると下記のようになります。
上側のGCPは安価であり、特にテキストメッセージのやり取りでは抜群のコストパフォーマンスを誇っています。
また、左側のAWSは料金体系が複雑ですが、物凄く簡単に説明するとDBのアクセス回数が増えるほどAPIサーバやDBサーバを増強する必要があるため、料金が高くなります。
(ストレージへのアーカイブ保管料などは上記に比べるとあまり大きくありません)
そのため、ボイストランドでは配信中に大量に発生するリアルタイム性の高いデータのやり取りは、安価なGCPを極力利用し、AWSへのDBアクセスをできるだけ少なくすることでサーバ費用を抑えています。
現状のサーバ使用料
ボイストランドの現在のAWSのサーバ使用料は月数千円程度です。
(AWSは無料枠も駆使。GCPはほぼ無料)
こちらは登録者が1000人程度に増えると月2〜3万円程度に上がる見込みです。
登録者数がそれ以上に増えるとサーバ使用料もかさむことが見込まれますが、音声通話サービス使用料に比べると比較的安価となります。
まとめ
以上のように、声劇アプリの運用には音声通話サービス使用料、サーバ使用料の2つのインフラ費用が必須でかかってきます。
特に音声通話サービスの使用料が大きいため、サービスを長期間続けて行く場合はここの費用を捻出することが鍵となります。
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