▼作者
あさま様
▼登場人物
・A:占い師
・B:占いに来た人
▼シナリオスタート
A:占いの館にようこそ
B:はい! すごく人気の占い師さんだって聞いて楽しみにしてたんです
A:ありがとうございます、どうぞおかけください
B:えっと…実は
A:はい
B:恋愛運を見て欲しくて…
A:その顔で?
B:何か言いました?
A:恋愛運、なるほど。
B:なんか腹たつなぁ。この占い師…
えっと…何を伝えたらいいですか?
A:そうですね、具体的には何を知りたいですか? たとえばあなたを好きな人がいるか…(小声)まぁこれは占うまでもないですね
B:おい、聞こえてんぞ
A:私、何か言いました? 恋愛運ですよね、何が知りたいですか?
B:さっきも言ったけど、腹たつな、この占い師…
えっと…職場に好きな人がいるんですけど…私のことどう思ってるのかなって。
A:承知いたしました。それでは占っていきますね(カードを並べだす)
では、あなたの
B:あの!
A:はい?なんでしょう?
B:今並べたカード…花札ですよね?
A:ええ?そうです。それが何か?
B:こいこいと恋!
それは似てるけど非なるもの!
A:まぁ、残念。カスですねぇ
B:役すら揃わない!
違うんです!私は占ってもらいにきたんです!
A:えぇ、存じております。ですので占いをしておりますが?
B:え?これ占い?私の恋愛運、カス出ましたけど?
A:占いですよ?この役ですと、そうですねぇ。
あなた、実は奥手でなかなか好きな相手に声をかけれずにいつも草葉の陰から見守るタイプではないですか?
B:すげえ!あたってる!
A:今日もここへ来たのは友達に一度占いしてみたら?って言われたからではないですか?
B:ねえ!?それどこ見たらその結果でるの!?ねえ!?
A:ふふふ、私は占い師ですから。
B:おおお…まじのやつだ
じゃあ、改めて、職場の五十嵐太陽さん(いがらしさんさん)は私のことどう思ってますか!?
A:さんさん?
B:さんさん
A:…さんさん
B:はい、五十嵐太陽さん(いがらしさんさん)52歳
A:あぁ、名前。52歳でその名前どぎついものがありますね
B:やめて!? 名前はキラキラしてるけど、本人はなんの光もない、ちょっとしわの目立つ実直な…
A:(食い気味に)あぁ、別に見た目とか匂いとかどうでもいいんで
B:匂いについては何も言ってないよ?
A:どうせ酸っぱい匂いとかしてるんじゃないです?ほら、加齢臭とか
B:それ以上さんさんのことをとぼしめないで!
A:確かに、他人を悪く言うのは良くなかったですね。
失礼しました、それでは改めてあなたの事をどう思っているかですね?
B:まともなこと言ってるのに無性に腹が立つ…
A:では、まず、あなたを蛙に例えますね
B:なんで?
A:で、五十嵐さんは水溜まりです
B:なんて?
A:で、蛙は水溜まりが好きですが、水溜まりは汚れますよね?
B:さんさんのこと汚いって言ってる…?
A:汚された水溜まりが蛙の事を好きだと思いますか?
B:意味のわからない例えだけどよくない結果なのはわかる
A:そういうことです
B:納得できるか!
A:ですが、役はカスですし…
B:人の恋愛をカスカス言わないでくれる!?
もういいよ!次は金運を占ってよ!
A:金運ですか?その顔で?
B:顔は関係ねえだろ
A:いえ、人相占いというものがありまして
B:ものは言いようだな
A:ですが、安心してください!
顔は変えられませんが、運は変えられます!
B:うるせえな!母さんにもらった顔だよ!別に作り替えたいとは思ってねえよ!
A:運勢は自分の手で変えるもの。
このボイスト・ゴッド・プルコギ像を置く事であなたの金運が上がること間違いなしです!
B:禍々しい銅像出てきた!!何なら黒いオーラ出てるんだけど!?何それ!?
A:本来、一般の方が目にする事は叶いませんが今回偶然、キャンセr…じゃなくてあなたの為に用意致しました
B:完全に使い回し…ご利益も何もあったもんじゃねえな。
A:この銅像を玄関に祀って毎日お酒を与えると、ギャンブル運が上がります
B:もうちょっと直接的に金運あげてやれよ。
いや、結構なんで!いくらですか?もう行くので…
A:…そうですか、残念です。
それではお支払いは20291ペソです
B:日本円に直すと?
A:5万円です
B:…もう二度とこねぇ
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